戦国の世、敵国の蒼山伊織のもとへ嫁いだ蝶子にとって、与えられた部屋から見える庭の花だけが希望だった。
何も知らない蝶が、愛しい花を己の居場所とするまでの物語。
戦国 | 政略結婚 | PG12
戦国の世、敵国の蒼山伊織のもとへ嫁いだ蝶子にとって、与えられた部屋から見える庭の花だけが希望だった。
何も知らない蝶が、愛しい花を己の居場所とするまでの物語。
佐々木果恵、三十二歳。
結婚したくないわけではないが、積極的にしたいわけでもない。
ある日、そんな彼女の職場に、忘れかけていた懐かしい人物が現れる。
十五歳の春。新しい季節を迎えて志穂子の環境の何もかもが一新し、同い年のいとこができた。
不器用な少女と不器用な少年が織り成す、家族と友情と、恋の物語。
彼の第一印象は、馬鹿な男。
二度目の印象も、やっぱり馬鹿な男だった。
こぼれたミルクが元に戻せないように、失言を取り消すことは難しいのだ。
大人になればやりたい仕事に就き、誰かと恋に落ち、そして結婚する。
子供の頃に当たり前のように描いていた未来は、どれも容易く手に入るものではなかった。
桜の木が薄い緑の葉をつけた頃、大学四年生の結城桜子は水森楓と出会った。
移りゆく季節の中で少しずつその距離を縮めてゆくが、やがて桜子は、楓の言動に微かな違和感を感じるようになった。
高校一年生の雨音は、ごくごく普通の高校生活を送っていた。
理由はわからないけれどクラスメイトの凪に、誰にも気づかれない自然さで避けられている以外は……。
マライ村では結婚が決まると、サティヤムと呼ばれる髪紐を互いに贈り合う。
婚約者となる相手を想いながら編んだそれで髪を結わえ、婚礼の日を待つのが昔から伝わる風習なのだ。
切ない恋。取り戻したい恋。臆病な恋。密やかな恋。そしてはじまる、素直な恋。
オムニバス形式で綴る、五つの恋の物語。